DOCTOR COLUMN
最近よく聞く、潰瘍性大腸炎って?
新型コロナウイルスの感染拡大の終息もまだまだ見えない中、最近では『潰瘍性大腸炎』という病気もよく話題になるようになりました。
話題になることが好ましいかは別ですが、こういった病気があるのだと言うことを皆さんに知っていただく良い機会にはなったと思います。
この『潰瘍性大腸炎』と言う病気は、厚生労働省の約330ある指定難病のひとつで、平成30年時点でのこの病気の登録者数は12万人を超えています。
指定難病とは、大きく言うと『確実な治療法が確立されていない病気』を示します。
『潰瘍性大腸炎』の特徴として、もともと若年層の発症が多いとされていましたが、近年では中高年層以上の発症者も増加してきています。
主だった症状としては、下痢、腹痛、血便があります。
これらの症状はウイルスや細菌性腸炎でも起こりえますが、感染症なら多くは一時期だけの症状ですよね。
ですので、整腸剤のみで症状が改善することが多いですが、
この『潰瘍性大腸炎』は、主だった症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す(寛解増悪と言います)ことが、大きな特徴でもあるのです。
『潰瘍性大腸炎』の治療に関しては、近年多くの治療薬が開発されておりますが、まずは早めに診断、早めに治療介入して寛解状態を維持することがとても大切です。
当院でも、毎年10人前後『潰瘍性大腸炎』と新たに診断される患者さんが受診されます。
状態が悪くなってからでは入院を要したりすることもありますので、お腹の症状で気になることがありましたら、まずはお気軽に医師にご相談ください。
こんなご時世だからこそ、いろんな症状がでると不安になるのは当たり前です。
少しでも快適な日常生活が過ごせるように、ともに頑張りましょう。
著者 名誉院長 菅原 淳