HELICOBACTER PYLORI
ヘリコバクター・ピロリ
臨港クリニックではピロリ菌による症状が認められる場合、確定診断のための
胃カメラ検査を行っています。
胃がんなどの病変がなく、ピロリ菌感染が確定した場合は
すぐにピロリ菌の除菌治療を開始することをお勧めしています。
ピロリ菌ってどんな菌?
どうしてピロリ菌に感染するの?
ピロリ菌は胃の粘膜にすみつく細菌。
免疫力や胃酸の少ない幼少期に感染し、人間の強力な胃酸の中でもそのまま何十年も生き続けてしまうやっかいな菌です。
通常5~6歳まで(乳幼児期)に感染しピロリ菌保持者となり、大人になってからの感染は免疫力により感染しないと考えられています。
ピロリ菌の感染ルートはピロリ菌に汚染された井戸水やピロリ菌を保持した生物からの感染が原因ではないかと言われており、現在の日本人の感染率は20代は約10%、50代で約50%と高齢の方ほど感染率が高くなっています。
上下水道が完全でなかった頃の井戸水などによる感染、大人から子どもへ食物を口移しし、その唾液などを介し感染したと考えられています。
上下水道が整備された現在においては井戸水からの感染や、虫歯菌の感染防止対策などで口移しなどが減少、それに伴い10代、20代のピロリ菌の感染数は減少していますが、今なお完全に感染予防ができないのもまた事実です。
ピロリ菌に感染すると胃粘膜に炎症が起こります。
放置していると慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染性胃腸炎)になり、そのうち数パーセントが胃がんに進行する可能性があります。
ピロリ菌に感染すると胃粘膜に炎症が起こり、感染期間が長くなれば長くなるほど、炎症の範囲が広がり、最終的には慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染性胃腸炎)になります。
自覚症状があまり出ない方も多い為、健診などで指摘されたり、食欲不振や胃の不快感などの症状が日常的に出て初めて感染が分かる事があります。
ヘリコバクター・ピロリ感染性胃腸炎が進むと、萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、機能性胃腸症(FD)、胃ポリープ、胃MALTリンパ腫、突発性血小板減少性紫斑病などを引き起こし、そのうち数パーセントが胃がんに進行します。
感染したらどうなるの?
ピロリ菌に感染していたら
どうするの?
一般的に胃カメラ検査などでピロリ菌感染が疑われ陽性が確定した場合、胃がんなどの病変がなければすぐに除菌治療をお勧めしています。胃がんなどが見つかった場合は、まずその病気の治療を行います。
ピロリ菌の除菌治療に成功すれば、ピロリ菌感染による胃炎は改善されますが、胃がんが完全に予防できるわけではありません。
【ピロリ菌の治療】
1種類の「胃酸分泌を抑える薬」
2種類の「抗菌薬」
計3剤を同時に1日2回、7日間服用します。
除菌8週間以降にピロリ菌が除菌できているか、主に便検査などで判定します。
【一次除菌で成功しない場合】
二次除菌として抗菌剤を1種類変更し、再度7日間服用します。
効果の判定は1次除菌と同様です。